派遣ライフ☆企画課日誌

派遣ですが職場愛が深すぎる私の刺激的な日常を、独自の視点でつづっています!

差別?!社員はテレワーク。派遣は・・・?

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新年度はコロナ禍の中、混乱のうちに始まった。

 

3月の中頃に、4月1日付けで企画課から転出が決まった人たちの送別会だけは、規模を縮小してささっと済ませ、その後の課内は引き継ぎ!席替え!転出者たちがしれっと遺棄していったごみの山!で、バタバタと落ち着かず…。

私まで付随業務が山積みで、毎日あっという間に終業時間がやってくる感じ。 

ソーシャルディスタンスなんて、言った瞬間しか覚えてない、まだ全然身に付かず、でもマスクだけは律儀にはずさず、誰もが窮屈さと、ウイルスへの恐怖と、それでもうつりゆく季節にコロナ明けへの秘かな希望を抱く中、年度末が明け、4月になった。

 

ウィズコロナは経験したことのない不自由さで、このまま続くと頭がおかしくなるんじゃないかと不安になったが、それすら段々慣れていき、数日間は、つい先日まで我が物顔で休憩室を占領していた派遣の諸先輩方の顔も一瞬で忘れ、まさに”自由”を謳歌して過ごした。

新しく来た派遣さんたちは、最初のうちはなかなか休憩室に入ってこない。同期仲間とかたまって、事前リサーチしておいた近場のお店で外食することが多い。ただ毎日外食するのも経済的にキビしいなと感じだすと、示し合わせていっせいにお弁当を持ってくる。で、休憩室でいっしょにランチ。もちろんウェルカムです。もともとみんなの休憩室だし、情報交換もできるし、健全であるし、他愛のないおしゃべりも気分転換になるし。

だけど、そうなるまで、もう少し、この自由を味わわせてくれー!

 

ダンナがどうしたとか、子供の担任がどうしたとか、うちのワンちゃんがどうしたとか。

誰誰のインスタ見た?あのスイーツ買った?食べた?

ねえ、これ知ってる?このお店行ったことある?

知らない?マジで~?いいよ~、ここすごくいいよ~!行ってみな~、今度。

行く?行っちゃう?今日行っちゃう?

 

とか、もうしばらくいいです。

はぁ~。

ゆっくりご飯食べて、スマホ見て、そして少し寝るのだ。

 

 

ところが、そんな夢のような平和な日々も、数日でかき消されることに。

 

新型コロナウイルス 非常事態宣言

 

ほんとに出てしまった。

まわりに感染したという人がいなかったため、どこか実感がなかったが、いったん発令されたとなると、社会はそれに合わせてどんどん動いていく。

非常事態宣言が発令されたら、勤務体制やら業務イベントやら会議予定やら、どうするのか上層部ではとっくに決めてたようで、もろもろのお達しはすぐに発令された。

 

とりあえず、ほとんどの会議、研修、出張、イベント等は延期または中止。

それを周知するメールが山ほど届いた。

また、公的な懇親会はもちろん、職場内での飲み会、食事会も当面禁止。

(楽しみにしていた、課内定例飲み会も当然中止になってしまった…(涙))

プライベートでも不要不急の外出に対しては自粛要請とのこと。

 

そして、大事な勤務のこと。

翌日からの勤務スケジュールが大幅に変更され、業務上差し支えのない社員は全員テレワーク体制となった。

少し前から、Web会議も実験的にやってたし、社員全員にノートPCが支給され、自宅持ち帰りもOKになっていた。書類はすべて電子化されてクラウドだし、連絡もメールで事足りる。ほぼ問題なくスムーズにテレワークに移行。(そんな時代になったんだね。ちょっと昔じゃ考えられないよ…。)

 

私たち派遣社員は、とりあえず翌日は通常どおりの出勤を指示された。

まず社員さんの勤務を調整して、そしてそれから、派遣社員なのね。

そう思って、一応普段通りの業務をこなした。

 

しかしそれから数日たっても、結局私たち派遣社員には何の指示もなし。

企画課は、毎日誰かしらが当番で来てるけど、それ以外は出社してない。

課長も。新入社員も。

 

隣の課を見に行く。

そしたらやっぱり同じ状況。オフィス内のところどころにポツンと座って仕事してるのは、全員派遣社員だった。

 

他のフロアも同じだった。社員なき職場では、ほとんど仕事もないのに、電話当番だけやらされてるよー、と営業部の派遣の子があきらめ顔で笑ってた。

 

私たち、普通に会社来て、普通に仕事して、普通に家に帰ってる。

非常事態なんじゃ?

バス、電車、混んでるよ?駅もめっちゃ混雑してた。

今さらだけど、ほんとに怖いって思った。

 

さすがに疑問と不安を抱きながら、それでもいつも通りに出社したある日、同じ派遣社員のT子が私に走り寄ってきた。

 

「私、もう我慢できない!」

そう叫ぶと、彼女はかなり興奮した様子で私の手をひき、給湯室にひっぱりこんだ。

 

「なんで、私たちだけ普通に出社してるの?

 時短もなく、交代制でもなく、今まで通りじゃない?

 おかしいよね?なんで私たちだけこんなリスク背負わすの?

 もう我慢できないよ。こんなの差別じゃん!

 私、Yさんに言うからね!」

 

Yさんは、私たちの所属する派遣会社の担当営業の人。

この人に相談して、何か改善された試しはないけど、今回ばかりは私もT子の気持ちはよくわかる。

確かに、私たちが普通に通勤しているのは、この状況下ではリスクを伴うと思うし、社員をテレワークでリスク回避させても、私たち派遣社員の誰かが新型コロナウィルスに感染したとしたら?感染したことに気づかないまま出社し続けたら?

ウィルスは社員か派遣社員かなんて選ばない。

会社にいる人全員平等に、二次感染の可能性がある。

 

T子は、派遣会社に恐怖と怒りを、Yさんでなく、サポートセンター経由で訴えたらしい。

その頃、ネットやテレビでも、派遣社員だけ出社要請されてる職場があると、問題提起されているのを何度か見かけた。

 

その後、T子の訴えが功を奏したのか、世論に反応したのかは定かではないけど、ハラスメント問題には敏感なうちの会社、これも一種のハラスメントととらえたのかな?そう騒がれるとまずいと思ったのかな?とにかく、私たち派遣社員も全員が自宅待機勤務を指示された。

 

これは社員のテレワークとは異なり、完全にお休み。仕事はしない(できないし)。

当面の間は自宅待機とし、会社都合の休業のため有給(休業補償をおこなう)扱い。

そのかわり極力外に出るな、という指示も下された。まあ、自宅待機とはいえ、こんな時期に遊びに行きたいところもないけど。

 

元々インドア派の私は、自宅待機はまったく苦にならない。

でも、なんだかんだ言っても居心地のいい企画課という私の居場所が、ときどき無性に恋しくなったり、もう少し自由なランチタイムを味わっていたかったなあ、と少しもったいないような気持ちになったり、私がいなくても、ちゃんとカレンダー誰かがめくってくれるかな、と心配になったりしております。

 

【契約満了まであと 528日】